求人情報から知る景気回復動向は
改革を期待してたくさんの票を集めた政党が与党に就いていたときは、日本の景気はガタガタで、この先よくなるという希望が持てないでいました。下がり続ける日経平均とは逆に、どんどん上がり続ける日本円の為替に、投資家たちはただただため息をつくばかりでした。それに変化が見え始めたのは、国民が期待した政権交代後は、きっと良くなるという思いを手放した時でした。圧倒的な強さで票を集めた野党が、与野党を逆転させたとき、これから政権運営が少しはスムーズにいくかと期待したものです。そうした期待はマーケットに明るい希望を持たせてくれますので、他の要因もさることながら、心理的な面でリスクを取る動きも活発化し、日経平均はかなり上昇、円高も一服し、一安心です。経済指標はおしなべていい結果となっていることが多いものの、庶民にはまだ景気回復の実感は感じられません。株式投資をやっているからこそ、企業の株価ベースが変わってきたことがわかりますが、株をやっていなければ、毎日の生活から景気の回復傾向を実感できることは少なかったでしょう。その少ない中からも、比較的顕著に景気回復の傾向がわかるのが、求人広告だと思います。新聞、雑誌、インターネットと、数多くの媒体で数が増えていることを思うと、それが仮に時間給雇用の求人だったとしても、とにかく働く場所さえ見つからないと言われた5年前に比べると、政治が果たした役割は大きかったと思います。求人数の増加、雇用形態の種類などから、景気がどうなっているのかの判断は可能なのではないでしょうか。